声を遊ぶもくろみ 『鮭スペアレ版・リチャード三世』
作/ウィリアム・シェイクスピア 訳/坪内逍遥
構成/宮川麻理子 演出/中込遊里

演出ノート/中込遊里
2021年2月に上演予定だった本公演を4月へと延期したのは昨年の初夏あたりだったか。これを書いている今も、予定通り上演できるように策を講じつつも、不安は付きまとう。
構成・ドラマトゥルクの宮川と演出プランを練る中で、「グロースター公(リチャード三世)はアメーバだ!」となった。影響を与えたり与えられたりしながら揺れ動くその姿は、確固とした肉体を持たずアメーバ状に広がったり膨れたりする。“せむし”の王様であるリチャード三世の背中の“瘤”が、そこに込められたコンプレックスが、そのエネルギーの起点。
『リチャード三世』に向き合って1年以上。殺人を重ねて権力を手に入れた稀代の悪人、というイメージも強いリチャード三世だが、その人生の旅に付き合ううちに、彼の哀しさや人間臭さが染み入ってきて、情が湧いてくる。
社会状況の不安に向き合いつつも、どんな時でも人間は不安定に揺らぎながら生きていくのが常だなあ、と思う。それを認めながら生きるのはけっこう苦しい。でも、認めて受け入れることができれば、生きるのはなかなかに面白いかもしれない。
声を遊ぶもくろみ 鮭スペアレ版『リチャード三世』 試演会


出演
清水いつ鹿
上埜すみれ
水上亜弓
宮川麻理子
中込遊里(以上鮭スペアレ)
宮﨑悠理
箕浦妃紗
五十部裕明(パーカッション)
中條日菜子(バイオリン)
酒井将義(尺八)
スタッフ
ドラマトゥルク・構成:宮川麻理子
音楽監修・音響:五十部裕明
能楽指導:一瀬唯
演出助手:時田光洋
美術:北山聖子
衣装:田中麻里
宣伝美術:上埜すみれ
照明:植村真
舞台監督:林周一(風煉ダンス)
収録配信:山縣昌雄
写真撮影:bozzo
制作:片ひとみ
協力:たちかわ創造舎・風煉ダンス
場面紹介
第一幕第一場
リチャードがおのれの境遇を語り、芝居を仕組む段
ウタイ:中込遊里
マイ:上埜すみれ・宮﨑悠理・箕浦妃紗・水上亜弓・清水いつ鹿
第一幕第二場
リチャードが、その父と夫を殺した寡婦であるところのアンを口説き落とす段
リチャードウタイ:水上亜弓
アンウタイ:宮﨑悠理
ウタイ:上埜すみれ・清水いつ鹿
マイ:箕浦妃紗
第一幕第三場
リチャードが妃エリザベスらに悪態をつき、先の王妃マーガレットが呪いの言葉を吐く段
リチャードウタイ:上埜すみれ
マーガレットウタイ:清水いつ鹿
リチャードマイ:宮﨑悠理
マーガレットマイ:水上亜弓
ウタイ:箕浦妃紗
第一幕第四場
リチャードが、殺し屋を差し向けて兄のクラレンスを殺す段
クラレンス: 上埜すみれ・宮﨑悠理・箕浦妃紗・水上亜弓・清水いつ鹿
人殺し係甲:宮川麻理子
人殺し係乙:中込遊里
アーカイブ映像公開中!
2月14日(日)に、立川市にあるCHABOHIBA HALLで試演会を行いました。
圧倒的存在感をはなつチャボヒバの木をバックに、役者の雄々しい「語り」が響き渡り、迫力満点!
感染症対策として衣装にマスクを用いるなど、演出にも工夫がされているのも注目ポイントです。
現在もアーカイブ映像を公開中です。 (上演時間30分程度)
無料でいつでもお楽しみいただけますので、本公演前にぜひご覧ください!
上演会場
CHABOHIBA HALL http://chabohiba.jp/
東京都立川市幸町4-17-1
多摩モノレール「砂川七番」駅より徒歩15分/バス停「砂川九番」より徒歩5分/バス停「古民家園東」より徒歩3分
声を遊ぶもくろみ 鮭スペアレ版『リチャード三世』 本公演
4月公演情報はこちら
鮭スペアレ公式ツイッターアカウント:https://twitter.com/syake_speare